
ギターリフトはドイツ製のギター支持具。
実物を目にしたときはデカい!と思ったのですが、使ってみると意外や意外、いいんです!
ギター支持具としては従来の製品とはまったくの別物。安定感が違います。
一番のメリットは演奏していて楽なこと。
ギターリフトちゃんがどこかに行っちゃったら練習する気も吹っ飛んじゃうんじゃないか、って本気で思っちゃうくらいのお気に入りになりました。
- ずっと足台を使っている。
- 股関節の痛みや腰痛が気になってギターの練習に集中できない。
- 自分に合ったギター支持具を探している。
この記事の目次
ギターリフトとは?
ギターリフトはこのように装着します。
これでミディアムサイズ(上から2番目の大きさ)です。
身長172cmくらいの私にはこれでぴったり。
パッと見でいくつかの特徴が目につくかと思います。
・大きい
・ギターの背面に張り付いている
・吸盤が4個ついてる
・吸盤と吸盤の距離が離れている
・丸い黒い部分を脚に乗っけるらしい
プロのクラシックギタリストによる使用感
プロのギタリストはギターリフトをどのように感じたのか、販売元の公式ページから部分抜粋の形で引用して紹介します。
- 抜群の安定感で正しい姿勢が保たれ、長時間の演奏でも、腰の負担も軽減できる。歴史上発明された最も優れたギター支持具であることは間違いがない。(福田進一氏)
- 12フレット以上のハイポジションを演奏する際も安定している。(永島志基氏)
- 身体の前に浮いた楽器が寄り添ってくるかのような新しい感覚だ。(松尾俊介氏)
- 移動可能の吸盤は可動域が広く、どんな演奏スタイルの方でも自分好みの高さ・角度に調節できます。楽器との接触面が少なく、楽器の響きを最大限に活かすことができる画期的なアイテムです。(猪居亜美氏)
ギターリフトのサイズと価格
アクリル板の厚みは約4ミリ。色は黒(ブラック)と透明(クリスタルクリア)の2色。
吸盤を固定する小さいスパナが付属します。
15,000円(税・送料別)
最も大きいサイズ。ドイツではこれが標準サイズだそうです。
ミディアム 22.5cm×36.5cm
15,000円(税・送料別)
日本ではこのサイズが標準として売られている。(※冒頭の画像がミディアムサイズです)
ハーフ 24.6cm×27.8cm
15,000円(税・送料別)
右脚にギターを乗せる人用。
スモール 20.5cm×26.4cm
10,000円(税・送料別)
5歳~12歳の子供用。体の小さい人にもいいんじゃないでしょうか。
吸盤のみ、クッションのみ、も購入可。
吸盤(取替用)…1個/¥600(税・送料別)
クッション(取替用)…1個/1,800(税・送料別)
透明は正面から見るとギターが浮いているように見えます。
違う意味で聴衆の興味を引けるかも知れません。
ギターリフトを使ってみての感想
ギターリフト単体はこんな形状。
吸盤を取り付ける穴は左右上のそれぞれ1個は確定。
左9個と右10個から1個ずつ選びます。
付けては外しを繰り返しながら自分のフォームに合わせて決めていくといいでしょう。
ギターリフトはメリットがいっぱい♪
ヘッド高め派でも低め派でもすべてに対応
取付穴の多さと装着範囲の広さでギターリフトが縦横無尽に取り付けられるので、どんなフォームにも対応できるはず。
脚を包むような丸いラバークッション
上体が前後に動いてもラバークッションが力を吸収しながら回転するので、安定を保ったまま演奏に集中できます。
離れた4個の吸盤が安定に貢献
側板に4個の吸盤で取り付けるタイプと比較して力が広い範囲に分散されるので、支持具がはずれる心配がほとんどありません。
吸盤の材質が柔らかい
吸盤が両脚を全開にしてピタッと柔軟にギターの裏版に貼り付きます。
一度貼り付いたらなかなか外れません。
サウンドホールが体の中心線上にくる
サウンドホールがど真ん中になるとこんなに安定するのか、というプチ感動をぜひ体感してください。
音質が向上する?
ギターリフトは裏版が体に密着しないので音響的にもよくなる、と感じているギタリストもいます。マイギターに装着してご自分の耳で確かめてみるとよろしいのではないでしょうか。
デメリットがあるとするならば
価格かな?
税・送料別で10000~15000円というのは高いと感じる人もいるかも知れませんね。
でも使ってみたらその気持ちは消えちゃうんじゃないかと思います。
私の場合はギター教室の先生に使わせてもらってから購入を決めた訳ですが、まったく後悔はありません。
ギター支持具としては今までにない価格ですが、投資の価値は十二分にあると思います。
サイズかな?
日本人に推奨のミディアムサイズでもけっこう大きく、ギターの下にしてギターケースに入れるということもできません。
大きめのポケットが付いてるソフトケースなら収納も可能だと思われますが、そのために新たにギターケースを買うのもちょっと、な人もおいでかと思います。
私は大きめのバッグに入れて持ち歩いています。
ギターリフトがあれば演奏に集中できるので、演奏環境を最優先で考えるとサイズはほとんど気になりません。
私のギター支持具の歴史
シニアのクラシックギター愛好家がギターを弾き始めた時代は、例外なく足台を使うという一択しかなかったのではないでしょうか。
当時は世界のクラシックギタリスト御大の方々も当たり前に足台を使っていましたもんね。
足台一択でやってきた私も年月の流れには勝てず、50代後半あたりから足の付け根(股関節)が痛くなり出しまして、それを解消すべくギター支持具を使うようになりました。
足台は股間節と腰に負担がくる
私が数十年お世話になっている足台クンです。
私はヘッドを高くする派なので、足台を一番高くして使います。
足台って片足を強制的に上げた姿勢になるので、きっと足への負担が大きいのだと思います。時間を経てその無理が体に現れるんでしょうなぁー。
その証拠といいますかね、クラシックギターを長くやっていて股関節が痛かったり腰痛だったりというシニアさんは結構多いのですよ。
みんなそれまで足台を使ってきたんでしょうね。
痛い痛いを感じ始めたシニアさんに取っては、ギターリフトは希望の光ではないかとマジで思います。
側板に吸盤タイプは吸盤がハズれる
足の痛みが気になりだしてからは、改善を期待して側板に吸盤で固定するタイプを使っていました。
もともと吸盤が2個のタイプだったので2個を追加で購入して4個にしてあるのですが、このタイプにも弱点がありまして、4個の吸盤で吸い付いてるのにちょいちょい外れてしまうのです。
吸盤の材質もギターリフトにくらべて硬めです。
そしてギターリフトへ
ごくごく最近、ギター教室の先生が見せてくれたのがギターリフトです。
デカいな、と思いつつマイギターに取り付けて試用させていただきました。
いいものって直感的にわかるものです。
すぐに気に入りました。
使い始めて約1か月経ちますが、持ち運びの時の大きさ以外は特に不満もありません。(でもあの大きさって必要なんだよね)
末永くよき相棒になってくれることでしょう。
正直、ギターリフトを超えるギター支持具はしばらくは現れないのではないかと私は思っています。
ギターリフトの取り付け方とはずし方
ギターの塗装の質によっては吸盤が吸い付かないタイプもあるので、その対策として台座の役割をするプロテクティブホイールという円形のプラスチック板が付属しています。
プロテクティブホイールは「塗装がセラックニスやヴィンテージギターの場合使用します。」という注意書きがあるので、取り付けるかどうかは自己判断にてお願いします。
プロテクティブホイールの接着面を保護している薄いセロハンはセロハンテープで簡単にはがせます。スマホの保護シールを貼るときの要領でやってください。
プロテクティブホイールの位置決めと取り付けですが、私はギターリフトを装着した状態で4つの吸盤の円の周囲数か所をマッキーペンの細い方で薄くなぞって、それが中央になるようにプロテクティブホイールを取り付けました。
プロテクティブホイールと吸盤の位置がずれると困ったことになるので、慎重にやってくださいね。
ギターリフトの取り付け方
ヘッドを左にギターを裏向き(裏板を上にする)にして両足の上に置きます。
プロテクティブホイールを張り付けている場合は、位置を確認しながら4つの吸盤を配置して、上から軽く押さえ4つの吸盤を貼り付かせる。
まだ滑って動きやすい状態なので、対角線でちょっと強く押さえて固定します。
ギターリフトのはずし方
ヘッドを右にギターを裏向き(裏板を上にする)にして両足の上に置きます。
吸盤が離れている側を先にはずして浮かせます。浮かせないとまたくっついてヤヤこしいことになってしまいます。
次に反対側をはずして、ギターに当たらないように離しましょう。
練習中に中座したりする時は装着したままギタースタンドに立てておけばいいでしょう。
※2時間ほどぶっ続けで練習した時に左上の吸盤がはずれたことがありますが、ほかの3個は安定して張り付いていました。4個の吸盤が大きく離れているというのはやはり強みです。(やはりあの大きさは必要なのです)
追記:確認してみたところ、吸盤がはずれたのは胸からギターが離れていたからでした。集中していたので力も入っていたようです。
その後、胸から離さないように心がけて練習していますが、ぶっ続けで3時間程度練習しても吸盤は4個ともしっかりくっついています。
ギターリフトの購入について
ギターリフトはアマゾンや楽天で購入することはできません。(今後どうなるかはわかりません。)
取り扱いのある楽器店もあるようなのですが、こちらでオンラインで購入するのが手っ取り早いかも知れません。
⇒ ギタルラ社
ギタルラ社の販売ページの内容をご確認の上、右下の『お問合せ・ご注文』リンクから進んでください。
問い合わせは公式サイトでも受けてくれるようです。
⇒ 株式会社エス・アイ・イー
まとめ
ギターリフトは私の中では歴代最高のギター支持具です。
まだ足台を使っていた頃は足台は留守番させて(忘れちゃって)ギターの練習に行く、ということが数回ありました。
間に合わせ的な位置づけだったのでしょうねー、足台くんにはゴメンナサイなのですが…。
が、ギターリフトを手に入れてからは道具の大切さを実感。以来、忘れていないか必ず確認するようになりました。
安定したフォームで演奏したい人にはお勧めですよ。
スチール弦のギターでもフラメンコギターでもイケると思います。
「お!」と興味をそそられた方はぜひ使い心地を試してみてくださいませ。