
私は足台のデメリットを知ってしまったので、足台を使ったあの姿勢でクラシックギターを弾き続けるというのはおすすめしません。
片足だけ高く上げる足台特有の姿勢は、多くのクラシックギター愛好家が、背中が痛くなったり、腰痛になったり、という症状を引き起こしています。
となると、
腰痛に悩んでるギタリストはどうする?
足台はもう使えないのか?
どんな姿勢だったらいいの?
といった疑問も湧いてきますよね。
そんな疑問が自然消滅するような内容を盛り込みつつ、ムダを排除して、自分に合わせた姿勢で効率的にクラシックギターが楽しめるように考えてみました。
[topic color="red" title="この記事を読んでほしい人"]- 足台を使ったあの姿勢でずっと弾いている。
- クラシックギターを弾くと背中や腰が痛くて集中できない。
- もっと楽な姿勢でギターを弾きたい。
この記事の目次
クラシックギターの足台の姿勢は腰痛になりやすい
足台を使った伝統的なクラシックギターの姿勢です。
あの『アルハンブラ宮殿の思い出』という有名な曲を作曲したスペインの作曲家・ギタリスト、フランシスコ・タレガ大先生です。
当時はこの姿勢が標準だったのでしょうが、[keikou]腰も背骨も歪んでねじれていて、これをお手本に頑張った人は最短で腰痛になっていると思われます。[/keikou]
こちらも足台を使った姿勢です。
タレガの姿勢の悪いところが改良されています。
ギターが立ち上がって手首が伸びている
ヘッドが頭の高さになって背筋が伸びている
これだけでかなり弾きやすくなっています。
低めの椅子に腰かける
足台に乗せた脚を正面に向ける
ギターのくびれた部分をももに乗せる
右足は自然に開く
などなど、どちらも基本に忠実な姿勢になっているのですが、どちらも根本的な問題が解決されていません。
根本的な問題とは、
足台だけを使い続けているとかなりの確率で腰痛になってしまう、
ということです。
足台の姿勢が腰痛になってしまう理由
【参考画像2】は改良はされていますが、左足が床から離れているために踏ん張りが効きません。
姿勢を維持するために腰と背骨に力を入れなくてはなりません。
このときに腰と背骨に負担がかかることになってしまいます。
演奏に気持ちが入っていくと姿勢がくずれます。
この姿勢だと【参考画像2】よりも腰や背中への負担が大きくなります。
足台を使い続ける=腰と背骨に負担がかかる
という状況がずっと続くために、背中が痛い、腰が痛い、になってしまうんです。
足台姿勢の欠点を補うギター支持具
足台姿勢の腰痛対策としてギター支持具というのがあります。
ギター支持具の共通した特徴は、両足を床に着けた姿勢でギターを持ち上げてくれる、ということ。
『左脚が浮き上がることがなくなって両足でギターを支えるので姿勢が安定する』
というのがギター支持具の最大のメリットです。
下の画像は「エルゴプレイ」というギター支持具を使っています。
ギターの角度は約45度、ヘッドは頭の高さ、右手の手首はほぼまっすぐに伸びていて、全体としてギターが弾きやすい姿勢になっています。
見た目にも安定感が感じられますよね。
ギター支持具はデメリットよりメリットがずっと大きい
足台の姿勢と腰痛の関係がわかってから、いろいろなギター支持具が登場しています。
こちらの記事で、ギター支持具のメリットとデメリットを紹介しているので読んでみてください。
[kanren url="https://clagui.com/guitar-support/"]
こちらは、最新のギター支持具『ギターリフト』のレビュー記事です。
[kanren url="https://clagui.com/guitar-lift/"]
ギター支持具には、吸盤が外れる、塗装面に吸盤の跡がつく、などのデメリットがありますが、背中の痛みや腰の痛みから解放されるというメリットのほうがずっと大きいと私は感じています。
私のイチオシのギター支持具は『ギターリフト』です。
お値段は高めですが、現時点では最高のギター支持具だと感じています。
クラシックギターの姿勢に対しての本質的な疑問
Q1.指板が見れるようだとダメなの?
各弦が区別できる程度に傾けましょう。
フレットの場所も確認できるので、その状態でポジションが押さえられるように感覚も鍛えていきましょう。
Q2.ギターのヘッドは高い方がいいの?
頭の高さがベストだと思います。
ヘッドを頭の高さにすると、ギターが約45度に立ち上がって、右手の手首をまっすぐにできるので、弾きやすくなります。
Q3.左足の高さや体に対する角度は?
左足の高さ(=足台の高さ)は椅子の高さにも左右されます。
椅子の高さは、太腿が床と平行になるか、腰より膝が高くなるくらいがいいです。
椅子の高さについては以下の記事を参考にしてください。
[kanren url="https://clagui.com/clagui-chair/"]
※クラシックギターを構えたときにヒザが腰より低い(椅子が高い)と、服の素材によってはギターが滑ったり、前方に傾いたり、不安定な状態になります。
右手の手首は曲げないほうが弾きやすい
冒頭の2つの画像で手首の角度に注目してみてください。
【参考画像1】→ギターが水平に近い(右手の手首がやや直角)
【参考画像2】→ギターが約45度に立っている(右手の手首がまっすぐ)
やや直角に曲がった手首と、まっすぐな手首、クラシックギターを弾くときの手首の角度はどちらが正解なのでしょうか?
実際に自分で試してみましょう。
【参考画像1】と【参考画像2】の姿勢で実際にギターを弾いてみてください。
まだギターをお持ちでなければ、
右手の手首をまっすぐにして5本の指を順繰り曲げ伸ばし
右手の手首を直角にして5本の指を順繰り曲げ伸ばし
この2つをやると簡単にわかります。
間違いなく、[keikou]手首をまっすぐにすると指が動かしやすい[/keikou]です。
クラシックギターの練習環境は姿勢を含めて自分用にカスタマイズするべき
練習が一番大事、と私は考えているので、練習環境はしっかりカスタマイズしています。
といっても決して大げさなものではなくて、クラシックギターに関して自分が見聞きしたものを改良したり、付け加えたりして、自分がやりやすいようにしているだけなんですけどね。
- ギターリフトというギター支持具に出会ってから足台を使っていない
- ギターヘッドは頭の高さ
- 両手の手首をまっすぐ伸ばして弾ける姿勢にする
- 背筋を伸ばして、指版が必要分見える程度にギターを自分に寄りかからせている
- 時間管理にタイマーを2つ使用
- 指先のカサカサ防止に馬油を使用
- 左手の薬指がバネ指傾向にあるので指のストレッチを自己流でやってる
- クラシックギターをずっと楽しむための健康管理
といったことになってます。
カスタマイズの内容はすぐに思い浮かんだ訳でもなくて、練習の効率が上がるように、っていうのを日頃から意識しているうちに少しずつ増えていきました。
【まとめ】クラシックギターの姿勢に基本ってあるの?
ちょいと理屈っぽくなってしまうかもですが、人間工学的な基本姿勢はあっても、クラシックギターの基本姿勢なんてないと思っています。
自分が演奏しやすい方法を選択しながら自分のスタイルを作り上げていく
もうこれがすべてでしょう。
いつか基本じゃなくなる基本とか、いつか常識じゃなくなる常識とか、ありますよね。
運動中は水を飲むな!っていうのが、運動中は水分補給をこまめにする必要がありますってね、真逆に変わっちゃった実例もあります。
自分の感覚に素直になるって大事
腰痛につながることが分かって、感覚的に足台に気持ちが向かなくなって、伝統の足台姿勢は私の中では崩壊しています。(ギター支持具と併用で使うのはアリですよ)
やり込むにつれて目も耳も肥えてくるし、そういう意味では「疑問が発生する」ということもあるので、そんな自然発生な疑問とは素直に向き合います。
教則本も楽譜(特に運指)も疑ってかかったりします。
教則本だからすべてが正しいとか、有料の楽譜だから完璧だとか、思わない方がいいです。
後になって教則本に逆のことが書かれていたと気づいたり、直した運指の方がスムーズに弾けちゃったりするんですから。
工夫はずーっと続ける
クラシックギターを楽しみながら効率的に上達していけるように、あなただけの基本姿勢と練習環境を作り上げてくださいね。